乳腺科

乳腺疾患の病理診断について

病理診断科部長 松本裕文
病理診断科部長 松本裕文

乳腺の病変は多彩な組織形態を示し、その僅かな形態の違いを手掛かりとするため、診断に難渋することが少なくありません。
私たち病理医は、以下の項目を評価し治療方針の決定をサポートします。

  • 腫瘍の浸潤径及び広がり
  • 手術で癌が取りきれているか
  • リンパ節転移の有無
  • 組織型
  • 病理学的悪性度
  • ホルモン受容体/Her2/Ki-67の発現状況

病理診断は、治療方針や患者さんの予後の推定に大きく関わるため、判断に迷う場合は、国内外問わず、他の専門医の意見を求め、診断の確定が困難な症例についても、確定診断および治療に繋がる次のステップに移れるよう乳腺診療に関わる医療スタッフとコミュニケーションを密にとっています。
また、ホルモン受容体/Her2/Ki-67の発現状況は特殊な検査が必要です。患者さんから採取した検体の品質 (ホルマリン固定条件) が乳腺疾患の病理検査の精度を決める要因の一つになるため、乳腺外科と連携して品質管理を徹底しています。