形成外科
2014/12/03

形成外科シリーズ ⑩ ケロイド

■ケロイドとは■


ケロイドとは、何らかの原因で起きた皮膚のダメージにより、過剰にキズを治そうとする異常な反応が起き、きずあとが最初よりも大きくなったり、場合によっては痛みやかゆみを伴うものです。ケガや炎症、手術のキズなどが原因で生じることがあります。ケロイドになりやすい体質や、なりやすい体の部位も知られています。

■治療■


治療は下の表のように、様々なものがあります。ケロイドの部位、大きさ、体質の個人差などを総合的に判断して治療法を選択します。通常、複数の治療法を組み合わせて行います。

・手術療法(ケロイド切除)

・薬剤療法(内服、局所注射、外用薬など)

・放射線療法

・圧迫療法、テーピング、シリコンゲルシートなど

ケロイド治療の難しい点は、「再発しやすい」ということです。できもののように見えますが、、活動性の高いきずのような性質をもっており、いったん小さくなったり、痛み痒みが治まったりしても、活動性が高まるとまた大きくなってくることがあるのです。例えば、手術で切除しても、ケロイド体質があると、手術のきずあとがまたケロイドになってしまうことがあります。

■再発予防のために ~適切なアフタケアと定期的なチェックが大切です~ ■


ケロイドのチェックが必要なくなり完治したと言えるのは、活動性が完全に無くなり、いわゆる古傷になった時です。この活動性のない古傷のことを「成熟瘢痕」と言いますが、成熟瘢痕になるまでの期間は、数ヶ月から、人によっては数年かかることもあります。

一旦ケロイドができたということは、何らかのそうなる条件があり、また再発する可能性があると言えます。ケロイドの治療は、ケロイドの活動性を抑え込んで、再発を防止しながら少しずつ落ち着かせていく治療です。途中でアフターケアをやめてしまって、再発してからようやく治療を再会するまでは、それまでのせっかくの治療が水の泡になってしまいます。

「手術の皮膚切開により胸の中央にできたケロイド」と「薬剤療法により小さくなったがまだ活動性は残るケロイド」

ケロイドの活動性を理解し,根気強く治療を続けることが何よりも大切です。