形成外科
2014/10/29

形成外科シリーズ ⑤ 先天性の手足の変形

■生まれつき、手足の変形がある・・・■


生まれた時から、手や足の指などに、変形があることがあります。変形の種類は非常にたくさんあり、中には、成長に伴い機能障害を引き起こすものもあります。また、体のその他の部位の変形を合併することもあります。

■さまざまな変形■


【合指症】

隣同士の指が、くっついてしまっています。皮膚だけ水かきのようにくっつくものから、骨までしっかり重なってしまうものまで、程度はさまざまです。

【多指症】

余分な指が付着しており、指の数が多くなっています。

【少指症】

逆に、指の数がたりません。

【巨指症】

特定の指がほかの指よりも、異常に大きくなったものです。

【裂手・裂足】

指がカニの爪のように大きく割れているものです。

そのほかにも、頻度の多いものから、稀なものまで、数多くあります。これらの異常は、手でも足でもおこります。

■治療■


治療としては、手術により、正常に近い、もしくは機能的にすぐれた形態にもどしてあげることが主流となります。特に手は、非常に精密な動作を行う部位ですし、子供の成長とともに、大きさ・機能ともに発達していきます。ですから、手術に最適な時期(年齢)を選ばないと、せっかく形は戻っても、うまく動かせない可能性もあります。足も、体重を支える場所ですから、成長に伴い、障害が出ないよう、注意する必要があります。

形成外科シリーズ ⑤ 先天性の手足の変形 合趾症術前   形成外科シリーズ-⑤ 先天性の手足の変形 合趾症術後
手術前   手術後

■長期的な観察が必要■


術後は、新しい形をうまくつかいこなせるように、リハビリが必要になります。また、成長に伴い、形や機能の不都合が出てくることがあり、そういう場合、二次的な修正の手術が必要になることもあります。子供の成長に伴い、数年単位の観察が必要になります。
手足の変形の治療は、専門的な技術が必要となります。また、手足の異常で、さらに深刻な異常に気付くこともあるため、早めにご相談下さい。