【研修環境】
中頭病院集中治療科は2016年7月に新設された新しい科です。2016年10月には新病院に移転し、より機能的に生まれ変わったICUでの診療を開始いたしました。内科系・外科系(心臓血管外科・脳神経外科を含む)を問わず、多様な患者様の診療に主治医グループと緊密にコラボレーションしながら、集中治療医学の見地から患者様にとって最良と思われる医療サービスを提供するsemi-closed ICUの形態をとっています。
内科系はほぼすべての診療科がそろっており多様な疾患を経験できますし、外科系は県内でも有数の手術数を誇り、surgical ICUを学ぶ場としても全く不足ありません。また、沖縄県中部診療圏における急性期医療を担う中核病院として、年間6,000台を超える救急搬送を受け入れており、救急室からのICU入室症例が全体の半数以上を占めます。そのため、敗血症、ARDSをはじめとする重症呼吸不全、急性心不全、急性冠症候群、脳卒中、てんかん重積、心停止後症候群などコモンな急性期疾患は、まさに“浴びるように”経験できます。救急科との垣根は特に低く、重症例では集中治療医も救急部門での初期診療から参加する、まさにシームレスな急性期診療を展開しています。症例の質、量ともに集中治療医学を学ぶ上で、非常に恵まれた環境にあると自負しています。
【教育体制】
集中治療専門医が毎朝、フェロー、レジデント、看護師、薬剤師、栄養士、臨床工学技士、理学療法士、作業療法士等のコメディカルと回診を行い、患者マネージメントの確認やベッドサイドティーチングを行います。フェロー、レジデントはプレゼンテーションを担当し、自ら考え判断できる医師としての素養を育みます。日々生じるクリニカルクエスチョンに対して集中治療専門医が効果的にレクチャーを行い、集中治療医学を体系的に学べるようにしています。また、ジャーナルクラブは特に重視しており、最新の医学論文を批判的に吟味しながらEBMの実践にどう生かしていくのかを学びます。常にレジデントが複数人ローテーションしており、屋根瓦方式の研修が確立していますので、フェローには後輩への教育活動も求めます。
【勤務体制】
毎朝8:00からの回診に始まり、夕方のカルテ回診、当直医への申し送りまでが日勤の基本スタイルです。週に1回程度の当直を行いますが、当直明けは午前中には帰宅することを徹底しています。2交代制が確立していますので、安心して研修を受けていただける環境が整っています。
【施設認定】
日本集中治療医学会より集中治療専門医研修施設に認定されています。
【募集対象】
① 当院就職前に麻酔、救急、内科等の専門医を取得済み、あるいは受験資格が得られる見込みで、集中治療専門医を目指す方
集中治療専門医研修施設に認定されています。当院で1年以上の勤務、うち連続12週間以上のICU専従で、集中治療専門医受験に必要な勤務歴を満たすことができます。
② 基本領域の専門医取得要件をまだ満たしていないが、今後、基本領域の専門医資格を取得したのち、集中治療専門医を目指す方
内科、救急、麻酔など基本領域の研修プログラムと組み合わせ、個々のプランにあったテーラーメイドの研修プログラムを提供する用意があります。新旧の専門医制度が混在していますので、詳細については個別に相談させていただきます。
③ 集中治療専門医資格取得にはこだわらず、集中治療の経験を積むため短期研修を希望される各種領域の医師
数か月〜1年程度の短期研修プログラムを提供できます。
④ 医師2年目以降のレジデントで短期研修を希望される方
1~数ヶ月程度の短期研修プログラムを提供できます。将来、どの専門領域に進んだとしても集中治療医学の研修は必ずや皆様の糧となると信じています。積極的な応募をお待ちしています。
研修期間は各人の到達目標、取得したい資格、これまでの経験などをふまえ、個別に相談しながら決定します。現在、専門医制度の変革期にあり不透明な部分がありますので、不明な点があれば直接御連絡いただければ個別に対応いたします。
連絡先
ご質問・見学希望など随時受け付けておりますので、興味ある方は中頭病院臨床教育開発センター(jimu-rinken@nakagami.or.jp)まで御連絡下さい。