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最新放射線治療機による放射線治療について

中頭病院に最新型の放射線治療機器(Varian社製 TrueBeam™)が導入されました。

沖縄県でも死因の第一位である「がん」患者の皆様の、実に約半数に放射線治療の有効性が示されています。世界では「がん」患者の50〜60%で放射線治療が行われており、日本でもこの20年で年間治療患者数が3倍以上になっている治療法です。

放射線治療には100年を超える歴史があり、正常組織を避けてがんの進展部位のみに放射線を集中させる試みが繰り返されてきました。今世紀の画像診断やコンピュータ技術の飛躍的な進歩に伴い、ようやく従来では不可能であった高い精度でのがんの放射線治療が当院でも可能になりました。

体幹部定位放射線治療(SABR, Stereotactic Ablative Body Radiotherapy)や強度変調放射線治療(IMRT, Intensity-Modulated Radiotherapy)と呼ばれるこの最新技術を、現時点で世界で最も高い精度とスピードで行えるのが、今回中頭病院に導入されたVarian社製 TrueBeam™です。沖縄初の導入となります。

すでに20年以上の治療データの蓄積があり、それ以前の放射線治療とは比較にならない効果と安全性が、沖縄県でも多い頭頸部癌や肺癌をはじめ、前立腺癌などの骨盤内腫瘍、脳腫瘍、転移性腫瘍など様々な「がん」で実証されています。その結果、以前は外科手術以外に治療の選択肢がなかった患者さんでも、放射線治療によって遜色のない治癒率が少ない副作用で得られるケースが非常に増えています。

がん治療で最も重要なのは、治療に当たるスタッフが外科、内科、放射線科等の垣根を超えて最適の治療方針を議論する「集学的治療のためのキャンサー・ボード」です。中頭病院では疾患領域(乳癌、前立腺癌など)、または領域横断的(頭頸部、消化器、呼吸器)に医師のみならず多職種が参加したキャンサー・ボードを定期的に行い、それぞれの専門科にとらわれない標準的で最適な切除、化学療法(抗がん剤など)、放射線治療を組み合わせた治療が提供できる体制を整えております。

中頭病院放射線治療部門では、専門スタッフによる放射線治療の品質管理を徹底して行い、日本や欧米で広く行われている最新の放射線治療を沖縄中部のみならず、全県の皆様に提供してまいります。治療の内容や適応については、医療連携室を通じてお気軽にご相談ください。