中頭病院からのお知らせ
2016年1月~2016年12月の間に肺がんの診断を受けた肺がん患者さん
肺がんは日本で最も死亡数の多い悪性腫瘍の一つです。肺がんの発生要因の一つに石綿があります。石綿による健康被害の救済に関する法律に基づき、肺がんなどの石綿による健康被害を受けられた方及びそのご遺族の方を救済する石綿健康被害救済制度(以下「救済制度」という。)が施行されていますが、特に石綿による肺がんに対する救済制度については医療現場でも十分に周知されていない現状があります。そのため、石綿による肺がんとして 救済対象となる方でも制度を利用していない方が相当数いるものと想定されます。
そこで本研究では、全国の医療機関の院内がん登録情報から無作為に肺がん患者さんを抽出し、当該肺がん患者さんの診断時胸部CT画像情報から、救済制度の認定基準の胸膜プラクの有無を判定することで、救済制度認定基準を満たす石綿による肺がん患者さんがどれだけの割合でいるのかを推計します。また、医療施設の特徴や地域ごとに石綿による肺がん患者さんの分布の特徴を把握します。この調査から得られた結果は、救済制度の周知方法を検討するときの情報の一つとして環境省石綿健康被害対策室に報告されます。
研究実施期間:2019年5月まで
本研究では、対象患者さんの診断時の胸部CT画像と院内がん登録情報を用います。院内がん登録情報に含まれる情報は以下のものが挙げられます:病院等の名称、患者ID番号(院内がん登録連番)、性別、生年月日、原発部位《局在コード》、原発部位《テキスト》、病理診断《形態コード》、病理診断《テキスト》、診断日、治療前(臨床分類)
研究参加施設において、調査事務局から送られた院内がん登録匿名化番号である「連番」を、研究参加施設が保管する対応表を使って、対象患者名、対象患者の診療録番号を確認し、対象の患者さんの診断時胸部CT画像データを担当者が複写します。複写された画像は匿名化.暗号化して指定のCD-Rまたは、安全性が確立されたオンラインのいずれかの方法で調査事務局に送付されます。収集されたデータは国立がん研究センターの入室者が管理された領域に施錠のうえ保存され、特定の関係者以外がアクセスできない状態で保管されます。報告に際しては、常に集団を記述する数値デタのみの報告とし「個人が特定される可能性のある個別データの報告·公表は一切行なわず、かつ特定の個人が発表成果から同定できないように十分に配慮されます。
国立がん研究センター がん対策情報センター がん登録センター 東 尚弘
国立がん研究センター がん対策情報センター がん臨床情報部 富塚 太郎
国立がん研究センター がん対策情報センター がん登録センター 塚田 庸一郎
国立がん研究センター がん対策情報センター がん登録センター 新野 真理子
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
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また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
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国立がん研究センターがん対策情報センターがん登録センター
新野 真理子
東 尚弘(研究責任者)
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